みなさんの会社では「ペーパーレス会議」は進んでいるでしょうか。 昔の手書きで紙に書いて情報伝達していた時代に比べれば、紙の消費量は大きく減っていると思います。 パソコンやタブレット端末、プロジェクターがあれば、簡単にペーパーレス会議を実現することが可能だからです。 また、ペーパーレスは経費削減以外にも様々なメリットがあります。

しかし、現実には紙の消費量は減っているとしても、完全なペーパーレス会議が実現できていない企業も多いのではないでしょうか。 煩雑さやITリテラシーの教育コストなど、デメリットもあるからです。 会議中に手書きでメモをしたい人などは、紙がないことで不便に感じる人も少なくないでしょう。

ペーパーレス会議は、適切に推進することで「業務効率化」や「コスト削減」など大きなメリットを享受することができます。 ペーパーレス会議のメリットやデメリットを理解し、ペーパーレス化を進めていきましょう。

ペーパーレス会議とは

ペーパーレス会議とは

ペーパーレスとは紙を使わずに電子データでやり取りをすることです。 紙を節約して会議をすることもペーパーレス化を進めているといえますが、 本稿では完全ペーパーレスの会議を「ペーパーレス会議」とします。 ペーパーレス化は様々なメリットをもたらします。 紙代や印刷にかかるコストを削減し、紙を置く場所の削減をし、デジタル化で生産性を高め、ドキュメントと情報の共有を容易にできます。

社外とのやり取りではデータ形式の互換性や扱い方の方式などが異なることで、 紙の方が情報共有において手軽で便利なケースもあるかもしれません。 しかし、社内での会議に限ればペーパーレスを実現するのはそう難しくはありません。 できることからペーパーレス化を進めていくことが大切です。

パソコンやタブレット端末、スキャナーなどの電子機器の発達によりペーパーレスは多くの企業で進んでいますし、 office365や会議システムの発達で電子ファイルの取り扱いはさらに便利になっています。 こういったツールを使いこなすと、楽にペーパーレス化を推進することができます。

ペーパーレス会議のメリット

ペーパーレス会議のメリット

紙で印刷をするのを辞めるメリットは計り知れません。 印刷は見映えが重要であり、レイアウトの細かい崩れや読みにくさが気になるものです。 そんなことを考えていると時間はどんどん過ぎていきます。 その時間と労力を別の仕事に使えるようになるのは、大きなメリットだといえるでしょう。 また、その他にも数々のメリットがあります。

1.コストの削減

紙代、印刷代だけではなく保管にかかるコストやシュレッダーや溶解ボックスの設置など、廃棄にもコストがかかります。

電子ファイルなら上記のようなコストは発生しません。 仮に1枚15円の印刷コストがかかるとして、年間1万枚を電子ファイルに置き換えることができれば、年間15万円の経費削減となります。

2.会議準備の効率化

人数分の資料を印刷して用意するのは手間がかかります。参加者の人数をあらかじめ確認し、予備の印刷も必要かもしれません。 印刷をしたら綴じて、会議が始める前には配布しなければいけません。 資料に間違いが見つかった場合、修正して印刷をやり直すこともあり得ます。 電子ファイルなら修正して配布することは簡単ですが、紙ではそうはいきません。 こうして万全の準備をしても参加者の都合で会議がリスケになれば、資料の日付を直してまたさらに印刷がやり直しになるかもしれません。

3.高いセキュリティレベルの情報統制を手軽に実現

電子ファイルは開封や拡散を検知することが可能なため、セキュリティレベルに合った情報統制を行うことができます。 たとえばSIEM(Security Information and Event Management)製品を導入すれば、重要な情報にアクセスした人間が深夜に大量に印刷をしている等の不自然な行動を検知して通報することができます。 電子ファイル化されていない紙だと、このような管理は難しいでしょう。

紙だと印刷したものを物理的に管理することは可能ですが、閲覧やコピーの管理を人が行うのは非常に手間がかかります。

4.電子ファイルの資料は読みやすい

紙資源を節約しようとすると、1枚に複数ページを詰め込んだり文字が小さくなったりして読みづらくなります。 電子ファイルなら拡大操作も容易なので、確実に確認ができます。

しかし少し古い感覚だと、ディスプレイの方が見づらいという意見も多かったかもしれません。 解像度が低く、画面も暗くてちらつきが多いディスプレイでは確かに拡大しても見づらいことがあったと思います。 しかし、現在では高解像度のディスプレイがかなり普及していますので、その心配もありません。

また、せっかくカラーで作成した資料を、節約のためにモノクロ印刷をしなければならない職場も多々見受けられます。 電子ファイルであれば、節約のためにモノクロ印刷など気にすることがなく、見やすく見栄えがよいカラーのまま資料を読むことが出来ます。

ペーパーレス会議のデメリット

ペーパーレス会議のデメリット

ペーパーレスが進まない理由はたくさんあると思います。 タブレット端末やノートパソコンがないと、資料は紙で配らざるを得ないかもしれません。 また、タブレット端末やノートパソコンは画面も小さく、読みにくいという理由もあるでしょう。

他には企業文化の差もあります。 たとえば「会議の前には必ず資料を紙で配って読み込んでおくのが通例」 という会社では、個人の働きかけだけで電子化を実現するのは難しいかもしれません。

また、「資料に書き込むために紙が便利」 「仮に紙の資料を配らなくてもノートに書くことになる」 「会議中にホワイトボードに書かれたことは、パソコンに書き写すのは難しい」 「資料は顧客に渡す場合もあり、印刷して確認することが必須」などの意見もあると思います。 他には下記のような理由もあるでしょう。

1.情報流出のリスク

紙で数万ページの情報が持ち出されるリスクは、物理的な困難さからも低いといえます。 しかし、電子ファイルではあれば一度に大量の情報が流出してしまうリスクがあります。 適切な管理ができていない場合は、紙の管理よりも高リスクであるといえます。 重要な情報にはアクセス権や操作履歴の監視、社外への添付ファイル送信などをきちんと管理しましょう。

2.手書きでメモできない

資料に自分がわかりやすいように線を引いたり注釈をつけたいという場合は、確かに紙が便利です。 これはどんなにタブレット端末が進化しても、紙とペンの気軽さには一歩及ばないと思います。 しかし、「メモを共有したい」となれば話は別です。最初から電子でメモをした方が共有しやすいのは明らかです。

国によるペーパーレス推進

国によるペーパーレス推進

昨今ではスマートフォンで撮影するだけで簡単に紙媒体を電子化できるようになっています。 電子帳簿保存法が施行により、これまで紙媒体での保存を義務付けられていた領収書が、電子データ(電磁的記録)で保存できるようになり、国も電子化を推進しています。

また、ペーパーレスのためにあるわけではないのですが、環境配慮促進法第11条により、 大企業は環境配慮等の状況の公表を行うように努めなければなりません。

そして、環境マネジメントシステム(EMS)規格であるISO14001を取得するためには、企業は「環境方針」を定めなければなりません。 現在日本では約2.5万組織がISO 14001の認証を取得しているといわれています。

上記の理由から紙資源の節約を目指している会社は多いでしょう。 環境への配慮の意味でも、ペーパーレス会議を推進することには大いに意義があります。

ペーパーレス会議を実現している弊社の成功事例

ペーパーレス会議を実現している弊社の成功事例

弊社ではペーパーレス会議が浸透しています。特に私が所属している部署では、会議で紙の資料が出てくることは滅多にありません。 年に一度あるかどうかです。 フロアには業務用のレーザープリンターがあり、対外的な資料や申請書のために紙を消費するにはするのですが、プリンターが動く頻度が低くいつも省電力モードのままです。 では、なぜ印刷をしないのでしょうか。

1.情報共有が楽にできる

ペーパーレス会議を実現している弊社の成功事例

会議室には50インチのディスプレイがるため、全員でディスプレイを見ながら会議をすることに何も支障はありません。 会議参加者は全員PCを持ち込んでいるため、追加で情報を共有する必要があれば、Microsoft Teamsのチャットですぐに共有ができます。印刷して配るよりも簡単です。

2.オフィス内のどこでも無線のネットワークに接続できる

個人間の打ち合わせでも、自由に使えるスペースにディスプレイが設置されています。 使っているPCは軽量のノートパソコンですし、持ち運びも苦になりません。 フロアのどこにいても無線LANでネットワークが利用できます。 弊社の場合は来客用のネットワークもあります。 ちょっとフリースペースで仕事をするようなことも気軽にできます。 どこでもネットワークが繋がると、必要なときに必要な情報にすぐにアクセスできます。 そうなると、紙よりもデジタルの資料を参照する方が便利です。

3.社内では不満はないが、課題もある

会議をすればホワイトボードを図を描くこともあります。 図を書き写すのはやはり難しいです。 ノートパソコンに付属しているペンでフリーハンドで書くこともできるのですが、書き写すこと自体が面倒なのです。 そんなときに弊社で一番人気の方法は、ノートパソコンのカメラでホワイトボードを撮影することです。 正直、メモならこの程度で十分です。 とはいえ、写真なので細部は拡大しないとわからないこともあります。 それどころか、撮影のミスにより画面が切れていることもたまにあります。 これは、弊社の問題点でもあります。 この問題点については、デジタルホワイトボードを導入することで解消できます。 デジタルホワイトボードなら、ホワイトボードに書いたことを漏れなくデータとして共有できるからです。

最新システムでペーパーレス化を推進

最新システムでペーパーレス化を推進

紙よりも便利になればペーパーレス化は一気に進みます。 しかし、資料だけでなく紙のノートすらも不要にするには、アナログのホワイトボードの対策も必要かもしれません。

世の中には、手書きのぬくもりを感じるホワイトボードが大好きだという人もいるかもしれません。 しかし、最近のホワイトボードは手書きに劣らないほど書きやすく、電子ファイルの共有やネットワークの接続にも対応しています。 最近は遠隔地の拠点と会議をする機会も増えている企業が多いと思います。 ホワイトボードのデータを共有すれば、離れていても相互に書き込むことが可能です。

こういった付加価値が大きくなるとノートに手書きをするよりも便利になり、自然にペーパーレス化が実現できます。 ただし、ペーパーレス化が目的でデジタルホワイトボードを導入するのは費用対効果に見合わないと思います。 「業務効率化を推進する過程でペーパーレスも一緒に実現したい」ということなら検討する価値はあります。

弊社でも取り扱いがありますので少しだけご紹介しますと、既存のホワイトボードを流用して低価格で導入できる 白板家 をおススメします。こちらは今までの会議室の使い方を変えずに導入できるというメリットもあります。


まとめ

まとめ

ペーパーレス会議は導入したツールを使い続けるための文化が重要になってきます。 せっかくオフィス環境でペーパーレス化する準備が整っても 「慣例的にレビューは紙で行う」 「資料は印刷して、形に残るように整理したい」 というような考えの人がいれば意味がありません。

長年染みついたやり方を変えるのは容易ではないかもしれません。 新しいルールや新しい文化を作るには労力も必要です。 しかし、ペーパーレス化にコストの削減や作業効率の向上など、合理的な理由があり、利用者にもメリットが大きければ必ず浸透します。

ペーパーレス会議を行うための機器や環境が揃っていないなら、弊社に ご相談ください。 会議を効率化するためのソリューションと豊富な実績がございますので、ご要望に合わせたご提案をいたします。