会議やミーティングには多くの無駄が潜んでいます。2018年に実施したオンライン調査によりますと「30%の時間しかミーティングの本来の目的に使われていない」という結果が出ています。(調査:バルコ社/有効回答数:2,833)
本来のミーティングの目的に沿ったディスカッション時間を増やすためには、ミーティング目的以外に使われている無駄な時間を減らすしかありません。すなわち、無駄を駆逐・効率化することによって会議の生産性を高めることができます。
無駄すぎる会議を効率化するための進め方
無駄すぎる会議というのは「目的を達成できない」会議のことです。ダラダラと時間ばかり過ぎて、結論を出すのは持ち越しになります。そういったうまくいかない会議は、多くの無駄が潜んでいるために発生します。それらを駆逐しなければ会議の効率化を実現することはできません。
本稿では会議の目的達成を邪魔する問題に対して、具体的にどういう手法で効率化していくのかを説明します。
会議を効率化するコツ
会議を効率化するために、7つの手法を紹介します。会議の効率化や進め方に悩んでいる方は参考にしてみてください。
手法1:【長時間会議対策】会議をタイムマネジメントで効率化する
会議中に無駄な時間があると感じさせると、参加者にとって無駄な会議であると思われてしまいます。最低限、開始時間と終了時間はしっかりと守るようにしましょう。「前の会議が長引いているのでAさんが遅れます」「では少し開始を遅らせましょう」ということが常態化すると、時間通りに進行することが不可能になってしまいます。
また、タイムマネジメントをルール化すれば、話の長い発言者がいたとしても途中で区切る理由になります。各自が時間を意識して参加できるように環境を整えましょう。それでも決められた時間内で進行できない場合は、会議時間を長めにとるべきです。場当たり的に会議時間をオーバーさせることは避けましょう。
手法2:【参加者が多すぎる問題】会議に必要な参加者だけを招集する
会議は必要最小限の人数で開催することが基本です。人数が増えると役割や責任範囲も曖昧になりがちです。全員が十分に発言する時間を確保することも難しくなります。それ以前に、多くの人の都合の合う時間を調整することにも手間がかかるでしょう。会議の人数を増やすには、こうしたデメリットを考慮しなければなりません。
それでも関係者間の合意を得るために、どうしても大人数で開催しなければならない会議もあります。その場合は必要なシーンを先に終わらせて、要件が済んだ人を解放することが大事です。参加者にとっても、自分の関係ない部分の話に長時間拘束されることは望ましいことではありません。会議の効率化のためには、なるべく規模をコンパクトにすることが大切です。
手法3:【結論を見失わない】何を決める場なのかを冒頭で説明する
参加者が何のための会議かわかってない状態だと、決まるものも決まりません。特に多忙な意思決定者の場合などは、何をする会議なのか十分に把握しないまま参加することもあるでしょう。そのままでは、良い判断をすることが難しくなります。そのため、会議の目的を冒頭でしっかりと伝えることで目的に向かって進めやすくします。
「今日は○○の承認を得るためにこの場を設けました」「本日同意をいただきたいことは次の3点です」というように具体的に伝えると、参加者も判断をしやすくなります。
会議の内容によっては合意さえ取れれば10分で終了してもいいですし、紛糾すれば1時間かけても間に合わない場合もあるでしょう。そういったことも冒頭に宣言しておくと進めやすくなります。
手法4:【認識のズレを防ぐ】決定事項や宿題事項を全員で認識合わせする
話が二転三転したり課題が複雑な場合は、結局後から当事者間で再確認が必要になることがよくあります。議事録で後から確認しようにも、会議中の明確になっていないことは議事録でも明確にならないものです。参加者の理解力に頼る進め方ではなく、全員が共通認識できるような進め方が望ましいです。大事なことをは会議の最後に改めて認識合わせをしましょう。ここでの方針に沿って、議論が本題から逸れた場合には戻すように意識しましょう。
手法5:【ダラダラ会議をしない】定例会議は時間短縮を意識する
定例会議は定期的に情報を共有するために有用です。しかし、これといった課題がないという場合に消化試合のようにきっちり時間を使い切る必要はありません。なるべく早めに終わらせるように努力すべきですし、そもそも議題が乏しい場合には定例会議の開催を見送る判断も必要です。たとえば、質問の余地がない伝達事項くらいしか内容がなければ、メール連絡で済ませるなどの柔軟さを持つようにしましょう。
手法1では決められた時間内で進行すると記載しましたが、必要がなければ早めに終わらせるべきです。それが参加者にとって「無駄」と感じさせないために大切なことなのです。
手法6:【結論を出すための会議】早めに結論を出すための進め方
会議を進行する役割の人は特に意識すべきことですが、意見が複数出てきたら着地点を意識して早めに収束させるように心がけると良いでしょう。意見を出すことも大事ですが、意見をまとめることにも時間がかかるものです。気づいたら時間を超過してしまっていて結論は次回に持ち越しになった、ということがないようにしましょう。早めに収束に向かうように促すことが、時間内に結論を出すためのコツです。
難しいのはアイデアを出すことが求められる会議です。個人の検討ではよい方法が浮かばず会議で知恵を拝借したいのですが、開催者が事前に適切な時間配分をするのが難しいケースです。ここまでの手法を駆使すればある程度ゆとりを持った話し合いができるかもしれませんが、結論を出すまでに至らない場合も当然あります。
その場合は決められた時間経過で区切りをつけて、次回までに誰が何をするのかを決めるようにしましょう。少しずつでも何かを決めていくことの積み重ねが、結論を出すために必要な進め方です。
手法7:【使用する機器を見直す】会議を効率化するためのツールを活用する
会議効率化を行うために最新のIT機器を上手く活用する方法もあります。参考までに弊社が実際に使用している会議効率化ツールを少し紹介いたします。
会議を開始する際に、機器の接続に時間を消費してしまうことはないでしょうか。会議室ごとにディスプレイに投影する機器が違う、利用者によってノートパソコンのコネクタの端子が異なるため、そのケーブルを探すのに手間取るというケースです。実は弊社でも、その都度必要なケーブルを探すことで時間を浪費していたこともありました。特に来客の機器のために急遽変換アダプターを用意しなければならない場合もありました。思い切って ClickShare(クリックシェア) を導入したら、そうしたことを気にする必要がなくなったので、スムーズに会議を始められるようになりました。
そうした場合は、思い切って専用のワイヤレスプレゼンテーションシステムを使用するのが効果的です。ClickShareを使用すると、どんな端末からも簡単にワイヤレスでディスプレイに投影することができます。
また、投影先がタッチパネルディスプレイで、会議中に書き込んだものがある場合、その画像をClickShareに接続している端末に保存することができます。(タッチパネルディスプレイ対応機種については お問い合わせください)
また、 touch-mee(タッチミー) を使えば会議終了後に会議室は解放されます。早く会議が終われば他者が使える状態になりますし、会議室は押さえてあるけれど実際には誰も使ってないというような会議室の空予約を自動キャンセルする機能もあります。会議室という有限のリソースを最大限活用するためにも、このような会議室予約管理システムは有効です。
こういった予約管理システムは、スケジュールを事前に決めているため、ダラダラ会議を防ぐ効果もあります。会議室不足に悩んでいる会社もこういったツールを使用することで、問題を解消できるケースも多々あります。
弊社のアプリ開発部が会議で使ってみました!
無駄な会議を駆逐・効率化する7つの手法のまとめ
ひとつひとつの無駄はとても細かいことかもしれません。ですが、こういった細かい問題が実際の会議時間を30%まで減らしてしまいます。生産性の向上には細かい改善を繰り返すことが不可欠です。
説明した手法をチェックリストにまとめました。会議の効率化や進め方の参考にご活用ください。
- 会議をタイムマネジメントする
- 会議に必要な参加者だけを招集する
- 何を決める場なのかを冒頭で説明をする
- 決定事項や宿題事項を会議の最後に認識合わせをする
- 定例会議は時間短縮を意識する
- 早めに結論を出す
- 会議の使用機器が効率化を妨げていないか確認をする